日本はこれから、超高齢化社会を迎えます。20代や30代の人は自分の老後を考えるという事はほとんどないかもしれません。しかし、40代や50代になって親の介護を経験した人の中には、もしも自分が介護される側になったらと言うことを考え始めます。
そして、少しでも介護する人の負担を少なくしようと介護脱毛をする40代や50代の女性が増えているのです。
40・50代に急増? 介護脱毛する人が増えてています!
介護脱毛と言うのは、予めアンダヘアーを薄くしたり少なくして脱毛することを言います。
介護経験のある人ならわかると思いますが、オムツ交換の際にアンダーヘアーに絡みついた便を拭き取るのはとても大変なのです。
また衛生面や感染症の予防のためにも、アンダーヘアを処理しておくのがベターです。特に女性の場合は、尿の出口と便の出口が一続きで近いうえに尿道が男性よりも短いため、大腸菌が尿路に侵入して膀胱炎などの尿路感染症になりやすい傾向があります。
将来介護される立場になった時のことを考えて、脱毛をしておきたいと思いますか?と尋ねたところ、女性の場合は「できればしたい」が約51%、「必ずしたい」が約12%でした。合計6割以上の人が介護脱毛に賛成だと言うことになります。
しかし男性の場合は、できればしたいと必ずしたいを合計しても約34%ほどしか介護脱毛を考えていませんでした。「いいえ」と答えた人がおよそ66%で、男性と女性で考え方の違いがみられます。
女性の場合、年齢を重ねるとともにアンダーヘアは薄くなったり少なくなって行き、ほとんどなくなってしまいます。むしろ男性の方が男性ホルモンの影響で、しっかりと生えたままの人が多いです。特に毛が長い人は長さが短くなることはないので、長い毛に便が絡みついて拭き取るのが難しいこともあります。むしろ、男性の方が脱毛しておきたいのです。
とくに女性から関心が高まっている介護脱毛

人間は赤ちゃんで生まれて、また赤ちゃんのように戻って死んでいくと言います。老いていくと、赤ちゃんのように、オムツをつける日がいつかは来るでしょう。
介護の経験がある人は、「自分の娘やお嫁さんに排泄物の処理で嫌な思いをさせたくない」という想いが強まります。自分自身も、その方が快適なのです。
そのため、40代や50代の女性が介護脱毛するケースが増えています。
2010年から2018年にかけて、45歳以上の男女での脱毛をした人は、15倍以上にも急上昇しているのです。
実際に、スムーズな介護の妨げになる物はどんなことかと尋ねると、6割以上の人が局部のムダ毛だと答えました。「増え過ぎた体重」と言う答えが約3割なので、その倍以上です。
そして、脱毛したら介護が楽になる部分は何処ですか?と尋ねると、7割以上の人が肛門周りだと答えました。
このような背景を考えると、40代や50代の女性が事前に脱毛をするのも、無理のない話で納得できるでしょう。自分自身に介護の経験がなくても友達などから話を聞くことはあるだろうし、他人事ではないのです。
日本は2025年には65歳以上の高齢者がおよそ30%にまで増えて超高齢化社会となると推測されています。自分自身がきれいになりたくて脱毛するのではなく、第三者から介護される時が来るということに備えて、事前に脱毛しておくという時代になりつつあるのかもしれません。
反対派はムダ毛が見られたくない

介護脱毛と言う言葉があること自体知らなかったという人も多いでしょう。そして、介護脱毛に賛成だと言う人もいれば、「何もそこまでしなくても良いのでは」と言う反対派の人もいると思います。
反対派の人は、すね毛や腕の毛を脱毛するならまだしも、アンダーヘアとなると抵抗があるのでしょう。
特に男性は、「脱毛サロンは若いお姉さんが脱毛してくれるんだよね。そんな若い子に下半身を見せるだなんて、無理だ」と思うのも、もっともなことです。このような羞恥心が女性の半分くらいしか介護脱毛を考えている男性がいないことにも繋がっているのでしょう。
女性同士でもやはり、アンダーヘアーを見られるのは抵抗を感じます。脱毛ではなく、自分の命を守るための婦人科の診察の際に下着を脱ぐことでさえも、ためらいながら脱いでいるはずです。
ましてや、老後のための脱毛で下半身を露出しないといけないとなると、それ以上の抵抗があるのも無理のない話です。
このような恥ずかしさよりも、介護する人の負担を減らしたいという想いが強くなった時に、介護脱毛を考えるのでしょう。
頭の毛は増やしたいのに、アンダーヘアは無くしたいという真逆な人もおられます。世の中、上手く行かない物です。
「たかがムダ毛くらいで」と感じる人もいるかもしれませんが、超高齢化社会を迎えるにあたって、介護脱毛は一度は考える必要があります。
まとめ
40代や50代の女性で、将来自分が介護される時の事を考えて予めアンダーヘアを脱毛しておく人が急増しています。
オムツの中でアンダーヘアに絡みついた便を拭き取るのは大変だから、介護者の負担を減らしたいという想いからでしょう。しかし。そこまでしなくても、という反対派も少なくないです。
賛成であれ反対であれ、介護脱毛は超高齢化社会を迎える日本では、誰もが考えなければならないことの一つです。